ご挨拶
第82回日本公衆衛生学会総会
学会長 田宮 菜奈子
筑波大学医学医療系 ヘルスサービスリサーチ分野 教授
筑波大学ヘルスサービス開発研究センター センター長
第82 回日本公衆衛生学会総会を2023 年10 月31 日(火)から11 月2 日(木)に茨城県つくば市で開催するにあたり、 皆様にご挨拶を申し上げます。
公衆衛生とは、「共同社会の組織的な努力を通じて,疾病を予防し,寿命を延長し,身体的・精神的健康と能率の増進をはかる科学・技術(C.E.A. Winslow; WHO 1949)」と定義されております。
近年、突如として現れたCOVID-19への対応において、まさに共同社会の組織的努力が求められ、公衆衛生の重要性が浮き彫りになりました。保健所、医療機関をはじめ、公衆衛生関係者が多大な力を尽くしているところです。あらためて、第一線の皆様のご尽力に敬意を表します。
COVID-19の試練はまだ続いており、また、世界でも少子高齢化の最先端をいく我が国は、多くの課題を抱えております。今こそ、共同社会の組織的努力の科学・技術としての公衆衛生学を、全国の公衆衛生関係者(行政、大学、研究所、保健医療介護の現場実践者、企業等)のみなさまとともに学びあえる場となればと考えております。
開催地は、常陸の国風土記や万葉集にもよまれた歴史ある茨城県、そしてそのシンボル筑波山を望むひたち野の原野にひろがる研究学園都市「スマートシティーつくば」です。
開催年の2023年は、研究学園都市構想から60年、還暦です。そして、筑波大学は創設50周年を迎えます。「常陸野の原野を拓き、真白なる塔そびえたり」 (筑波大学学生歌)とありますが、自然と人の英知が融合し、紫峰の下に多くの研究所、企業、大学が集い、積み重ねた日々です。
この時、この地で、皆さまを公衆衛生学会にお迎えできますこと心からうれしく思い、願わくば、この試練を乗り越えた喜びを、皆さまと共に分かち合うことができることを切に望んでおります。
本総会のメインテーマは「実践と研究のシナジーが織りなす保健医療介護サービスの進化と調和」といたしました。
公衆衛生には実践と研究の側面がありますが、実践と研究がこれまで以上にシナジーを発揮することにより、真の人の幸せにつながるヘルスサービスを生み出すと考えます。本学会総会のそこかしこで熱い議論が起こり、シナジーの芽が生まれ、育まれることを希望いたします。
開催地のつくば市は、東京都心からつくばエクスプレスで快速45分と抜群の立地です。足を伸ばせば筑波山、ひたち海浜公園など風光明媚な観光地もあり、常陸牛、あんこう鍋など、茨城県ならではの味覚もお楽しみいただけます。総会へのご参加以外でも有意義な時間をお過ごしいただけるものと思います。
皆さまの本学会総会へのご参加を心よりお待ち申し上げております。
2022 年12月吉日